劇評2


2月22日付け読売新聞に劇評が掲載されました。
2月7日の宮崎公演を見に来ていただいた記者の臼山さんが書かれたものです。
(以下、読売新聞28面から抜粋)


舞台後方の幕が突然落ちて、すがすがしい陽光のような照明に変わった。
背後の壁一面に洗濯物が干されており、出演者たちは穏やかな表情で空を見上げる。

幸せな家庭を連想させるこの最後のシーンに、主題は凝縮されていた。
夫婦や家族の基盤である愛こそが平和を導く、という。

古代ギリシャの劇作家アリストファネスの喜劇が原作。
男たちに戦争をやめさせるため女たちがセックスストライキをする。
筋は原作通りだが、役人が現代のスーツ姿だったり、アフリカやアジア風の音楽が流れたり、古今東西の要素がごった煮のようになって、多国籍で時代をあまり意識させない芝居だった。
舞台にすんなり入り込めたのは、そのせいもあったろう。



戦争体験を経たギリシャの観客がこの戯曲から受けたはずの面白さや意味深さに、今私たちはどう出会えるのか、時代を超えるための工夫や努力が確かにうかがえたのだ。
ただ、この作品を自然に受け止められたとすれば、おそらく、愛と戦争という人類普遍のテーマを描こうとする演出が貫かれていたからに違いない。

気になったのは、プラトンの著書「饗宴」にあるアリストファネスの演説を引く場面。
引かれ合う者同士が結ばれることによって人間性が完成するという趣旨のセリフを役者が時間をかけて語るときの理屈っぽさが際立って感じられたからだ。
喜劇に徹しても、主題は伝わったのではないか。

九州で活躍する役者9人が出演。
コロス(群衆の役割を担い、ストーリーなどを語る合唱隊)役で、声音を変えて複数の女を巧みに表現した木内里美の演技には引き込まれた。
演出は永山智行。
(臼山誠)
―6~8日、宮崎市・メディキット県民文化センター

インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコンby jiku-no-tabi | 2009-02-26 10:27 | 女の平和 広報

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